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"箔押"についてもっと知ってください。

(1)
箔押とは

(2)
金型の種類

(3)
箔の種類

(4)
箔の有効利用とコスト削減

(5)
トラブルを避ける為に事前に知っていただきたいこと

(6)
リサイクルと産業廃棄物処理問題


(1) 箔押とは
箔押作業を行うには @機械 A金版 B箔 が必要です。更に実作業においては"熱"と"加圧"といった要因が加わります。
箔押機はその加圧方式の違いから、大別して以下の三方式に分けることが出来ます。また (a)全自動箔押機 と (b)半自動箔押機に別けることが出来るが、半自動箔押機は、製本されてしまった厚手のものも、打抜かれてしまった複雑な形のものも自由に箔押することが可能なため、万能機と言えます。其々の方式の特徴や、箔押しようとする素材や形によって使い分けられています。

@

アップダウン方式: 紙用、ビニール用、プラスチック用、上製本用等の箔押機はこの方式が主流です。

A

シリンダー方式: 主に薄紙用として活版印刷機を改良して、箔押専用機として発展したもの。

B

ローラー方式:プラスチックあアクリル板などの、特にベタ箔押に最も適した方式で、豪華本や手帳の天金や三方金の箔押に使用されています。
箔押をする際によく問題となるのが、加工の順序です。紙の場合箔押の前後に数多くの加工があります。これらの工程のどの段階で箔押を行うのか、専門業者であっても良く迷う所です。印刷は当然一番最初の工程ですが、表面加工は、耐摩耗性等の耐物性を優先するか否かで、箔押との順序が入れ替わることが多々あります。しかし、プレスコートに関しては、せっかく押した箔が再度の熱で侵され艶が全く無くなってしまったり、クラックが入ってしまうので、箔押の後にプレスコートをしてはいけません。
(1) 印刷
(2) 表面加工 ニス引き
ビニールコート
プレスコート
塩ビ貼
PP貼 など
(3) 打抜加工
(4) サック貼加工

塩ビシート(発砲塩化ビニール)への箔押 : ウエルダー(高周波)箔押
従来の塩ビシートへの箔押は、シートの表面上に箔が乗っかっているだけの状態でしたので、使用の際、手の油や汗の影響で表面が酸化現象を起こして箔の変色や色落ちが見られ、長期に渡って使用されるものに対しては良い評価が得られませんでした。この問題を解決する為、塩ビシートに一度箔押をして、さらに箔押をしたものの上からウエルダー(高周波)を箔押部分に発振させることによって箔押を押し込む"ウエルダー箔押"技術が8年程前に開発されました。この効果は、ただ単に箔の耐久性が良くなっただけでなく、箔を塩ビシートの内部に沈み込ませることにより、箔に立体感が生まれデザイン的にも良い製品が出来上がるため、年々好評を得ています。

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(2) 金型の種類
金型の製法は昔ながらの彫刻法と腐食法に大別できる。箔押の場合、腐食版と彫刻版との違いは、箔押をしようとする素材が硬い場合には、そう大きな差は出ませんが、柔らかい素材の場合は、マージナルゾーンに大きな違いが出てきます。箔押の版に使われる金属には以下のようなものがありますが、どの金版を使用するかは、箔押をする素材や数量によって選ぶので、弊社の様な箔押専門業者にご相談ください。
金版はポジフィルム・ネガフィルムのどちらかがあれば製版することが出来ます。しかし、印刷と箔押との見当精度がシビアな場合には、印刷用フィルムを撮影した時に、同時に箔押用ネガも作成されると良いでしょう。また、箔押では130℃以上の熱をかけるので、箔押サイズが大きい時には金版の膨張を考慮しなければいけません。"伸び率"は金版の素材や条件によって差はありますが、おおよそ銅版で50cm あたり約0.7mm、真鍮版では 50cm あたり約0.5mmと考えるのが妥当でしょう。したがって見当精度が厳しい場合には"伸び率"を考慮してフィルムを作成するとトラブルが避けられます。

@

鋼鉄版 (厚さ:7 mm)
箔押用としては最も硬い版材で、通し数の多いものやエンボス紙、精密度を要求されるパネル等の箔押に使用されています。その一方で錆が出やすい為、クロームメッキをする必要がありますし、彫刻しか出来ない為、製版に時間がかかり、費用も他と比べると高くつきます。

A

真鍮版・銅合金版 (厚さ:7 mm)
最も広く使用されている版材で、硬度もあり熱伝導率が安定している上腐食製版も出来る。特に彫刻には最適の版材です。

B

銅版 (厚さ:1 mm & 1.5 mm)
これも一般に広く使用されていますが、エンボス紙や布クロスの様に深く押さなくてはならないような素材には適しません。一方、エッジの仕上り状態が非常に良いので、浮上げ用金版としては最適といえます。

C

マグネシュウム版 (厚さ:3 mm & 7 mm)
腐食製版が出来、その腐食時間が短く、素材の寸法も大きい上に版の重量が軽い特徴があります。広面積の箔押の際には版そのものの重量負担が少なく、その上彫刻が可能なため、少量の肉付箔押にも使用出来るので、その使用割合も増えてきています。ただ欠点として、酸化による腐食が早いので長期保存が難しいことから再版が見込まれる場合には使われません。

D

亜鉛版 (厚さ:1 mm & 1.5 mm)
亜鉛は本来活版印刷に使用されていた版材で、箔押の様に加圧を伴う作業には不向きですので、ごく少量の箔押や校正刷の時に使用されています。

E

樹脂版
浮出(浮上げ)に使用します。一般に雌型(凹版)ですが雄型用の凸版の場合もあります。

F

ラバー(ゴム版)
プラスチックなどで成形した物や凹凸のある板、また刻印では箔押不可能な硬い素材などに対しての箔押に使用します。

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(3) 箔の種類

@

メタリックホイル(金属蒸着箔)
通常箔押と言えばメタリックホイルの箔といえる程、代表的な箔。金属蒸着によるメタリックな輝きは、他の方法ではまだ表現できない。色は金銀の他に赤・緑・青・黒等がある。また艶消金/艶消銀もあり、色はある程度の数量があれば任意の色で作ることも出来る。

A

ピグメントホイル(顔料箔)
印刷やシルクスクリーンのような美しい色彩を転写で表現する為の箔。カラーも豊富に揃い、艶消しの箔、光沢のある箔、半光沢の箔、そして透明着色の箔まで作られています。これらの箔は、隠蔽性に優れていて、本や手帳等の表紙、自動車、弱電器、音響機器などの銘板や部品関係、その他プラスチック製品に広く使用されています。なお耐光性、耐水性などの諸物性にすぐれています。

B

部分蒸着多色印刷転写箔
この箔は、フィルムに特殊加工により部分的に多色印刷と蒸着を施した箔で一度の箔押で多色印刷とメタリックの箔押ができます。形状的に印刷するのが難しいもの、あるいは印刷工程が多くなってしまうものには、この箔で転写することで、きれいな印刷が容易に、そして複雑な多工程印刷比と較して安価に出来ます。

C

多色印刷転写箔
上述の部分蒸着多色印刷転写箔の内、金属蒸着の無い箔のことで、特徴や用途は殆ど同じです。印刷方法としては、グラビア印刷・オフセット印刷・シルクスクリーン印刷等、其々の特徴を活かして使い分けられています。

D

メタリック顔料箔
メタリック塗装の作業性の合理化、コスト面等から転写箔として開発されたものです。離型剤層や着色層を二層・三層と積層を加えて耐物性を強くしてあります。着色層には顔料の他に金属粉、無機物、パール顔料を加えてあり、特に耐摩耗性、耐候性に優れ、かつ重厚な風合いを持っているので、他の箔では表現しきれない格調の高い質感を出せる箔です。主に耐久性を追求されるプラスチック製品に多く使用されています。

E

パール箔
パール顔料をコーティングした箔で、グリーティングカード等に使用されています。パール箔は半透明な為に、同じ箔であっても素材の印刷色によって、さまざまに変化するというバリエーションに富んだ箔で、デザイナーにとって楽しめる箔といえるでしょう。

F

ホログラムホイル
ホログラフィーがスタンピングホイルとなったもの。レーザー光線を使ってフィルムに立体像をとらえ転写したもの。転写された面は二次元像あるいは三次元像が表現される。ホログラムホイルを発注する際には、物体の実物モデル像、あるいはホログラフィー用のマスターが必要です。その他、一般汎用箔としてプリズムパターン、フィッシュスケールパターン等、最近ではその種類も豊富になってきています。

G

ブロッキングホイル
着色層にアルミニウムやブロンズなどの金属パウダーを塗布した箔。落ち着いた金属感がありますが、耐酸性などの金属特有の弱点もあり、耐久性を求める印刷物への箔押しには不向きです。

H

木目模様箔
多色印刷転写箔の一種で着色層をグラビア印刷で5〜8色刷をして木目模様を表現している箔。特殊加工によりシボ目を出すこともできます。耐性にも優れています。

I

窓貼用箔
パッケージの窓抜きした部分に、スポット的に箔押の方法でラミネートできる箔。透明度もよく仕上がりもきれいで、作業性にも優れています。最近ではポケット等の工夫を凝らした使い方もされています。

J

スクラッチ箔
転写した箔を容易に引っかき落とすことが出来る箔。主に"スピードくじ"に使用されています。

K

その他の箔
(a) クリアーホイル: トップハードコート用、スポット艶出用 など
(b) ライティングホイル: ラベル、ノート、カード等の名入れ筆記用
(c) 純金箔: 古来よりの伝統的な、純金を圧延して作った箔

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(4) 箔の有効利用とコスト削減

箔押は、見る人の美的感覚に訴え商品のイメージアップを計り付加価値を高めるのに大変有効な手法ですが、いたずらに箔を多く使用しても、印刷コストがかかり、それが商品単価を押し上げる結果になってしまっては、箔押をする意味が無くなってしまいます。デザインの段階から材料の無駄が出ない様に計算出来れば、箔を有効に利用出来るので単価を安く押さえることが出来ます。

箔は、ロール状で販売され、メタリックホイル(金属蒸着箔)の場合は640mm(幅) X 120m/240m/360m (長)で、ピグメントホイル(顔料箔)の場合は500mm(幅) X 120m/240m/360m (長)、ホログラムホイルの場合は600mm(幅) X 120m/240m/360m (長)が販売単位となっています。(下表参照)

”箔のカット幅”は通常、”金版”のサイズより余白として 15mm 必要ですので、下記のサイズで”箔押版”をデザインすれば、箔に全く無駄がなくなります。”全自動機”の場合、箔は”咬” から ”咬尻”方向に流れますので、これらを考慮して図版デザインや面付をすると、美しくかつ低コストの箔押が出来ます。弊社ではデザイン段階からご相談いただけますので、お気軽にお尋ね下さい。

メタリックホイル(金属蒸着箔)
640mm (幅) X 120m/240m/360m (長)

箔の幅

カット数

金版の有効寸法

箔のカット寸法

640 mm

2個切

305 mm

320 mm

3個切

198 mm

213 mm

4個切

145 mm

160 mm

5個切

113 mm

128 mm

6個切

91 mm

106 mm

ピグメントホイル(顔料箔)
500mm (幅) X 120m/240m/360m (長)

箔の幅

カット数

金版の有効寸法

箔のカット寸法

500 mm

2個切

235 mm

250 mm

3個切

151 mm

166 mm

4個切

110 mm

125 mm

5個切

85 mm

100 mm

6個切

68 mm

83 mm

ホログラムホイル
600mm (幅) X 120m/240m/360m (長)

箔の幅

カット数

金版の有効寸法

箔のカット寸法

600 mm

2個切

285 mm

300 mm

3個切

185 mm

200 mm

4個切

135 mm

150 mm

5個切

105 mm

120 mm

6個切

85 mm

100 mm

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(5) トラブルを避ける為に事前に知っていただきたいこと
トラブルは滅多に起こるものではありませんが、絶対に起こらないものでもありません。被印刷物の特性について知っていれば、トラブルは事前に防げるものです。発生するトラブルの殆どは被印刷物の”乾燥”が原因です。これは”納期”とのかねあいがありますが”時間”が唯一の解決策といえます。

@

印刷・ニス引き
印刷物乾燥に要する、完全にブロッキングを起こさなくなる迄の時間は、一般におよそ4〜6時間位と言われています。しかし、箔押の場合は作業時に130℃以上の熱をかけるため、インキが完全に乾燥していないと、インキが箔の方に取られて、「箔がつかない」、「インキが取られて白くなった」、「泡を吹く」と言ったトラブルになります。理想的には24時間以上の乾燥時間があればこれらのトラブルは避けられます。特にUV印刷の乾燥には充分に気をつけていただきたい。乾燥が不充分の場合、ほとんど箔がつかないと考えていただきたい。再度UV乾燥機を通すことにより、かなり解決します。

A

パウダー
印刷時のパウダーのかけ過ぎによって箔が付かなかったり、ピンホールが起こったり、箔の表面が荒れて艶が無くなってしまう等のトラブルが起こることが多々あります。オフセット印刷では、UV印刷でない限り、パウダーを使用しないのは不可能と思われますし、特にベタが大きくなる程、パウダーの量が多くなり、ますますトラブルの元となります。印刷機で風通しをしてパウダーを少しでも押さえたり、ビニールコート等をしてパウダーが表に出ない様にするなどの解決方法があります。

B

プレスコート
インキ面が未乾燥のままコートすると、インキの乾燥がますます遅くなり、印刷の未乾燥状態@と同じトラブルが起こってきます。その為プレスコートもインキの完全乾燥を待って作業を進める方が良いです。印刷と同様にプレスコートが未乾燥の場合には「層間剥離」の状態が起こり、特に泡を吹いた様になり、一見箔が付いた様に見えていても爪などで擦ると簡単に取れてしまう"疑似接着"といったトラブルが発生することがあるので、やはり完全に乾燥出来る時間を取れる作業日程にするようにしましょう。最近プレスコートも水溶性タイプに変わってきていますが、水溶性タイプはまだ箔の密着が完全とはいえないので、ベタの多い箔押しの場合には溶剤タイプのプレスコートの方が向いています。

C

PP(ポリプロピレン・フィルム)貼
現在では両面コロナ処理(放電処理)フイルムが数も出てきているので、これを使用していただければ、箔押によるトラブルは殆ど発生しなくなります。ただし、ベタの多い箔押の場合は出来るだけPP貼は避けていただくのが賢明です。

D

箔押の裏面への影響
通常カタログやパンフレット等の商業印刷物は表裏両面に印刷されていますが、これらに箔押をする場合には、(1)箔押で加圧された裏面の印刷部分に若干の変色が起こる場合がある、(2)箔押の型の跡が裏面に出る、(3)インキやニスの乾燥が十分でない場合、箔押の熱で裏面の一部が熔け接着剤の様になり箔押機にくっついてしまう、等のトラブルが発生する可能性があることと考慮に入れて”面付け”や”裏面”のデザインをすると良い。

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(6) リサイクルと産業廃棄物処理問題
"箔押は地球にやさしい付加価値印刷です"
昨今、地球環境を守り、森林資源の保護育成が叫ばれ産業廃棄物およびリサイクル問題がクローズアップされ ています。箔押による使用済みフイルムの産業廃棄物としての処理問題や被転写物 (印刷物) の再生問題に ついての情報不足や誤解から、高級感があり人目を引く高付加価値な箔押を諦めてしまうケースが見受けられます。 箔押は地球環境を汚さず森林資源を無駄にしないクリーンな付加価値印刷です。

@

"リサイクル"
紙の再生処理は、パルプに還元出来ない紙、好ましくない紙が問題となります。一般的には、離解困難な紙、脱インキ性、漂白性 の悪い紙、繊維と異物の分離しにくい紙などのことを指します。箔押の最大特徴である金属光沢、しかしその金属光沢があるゆえに、 アルミホイル貼合紙と同一視されるなどの誤解を招いています。箔押される箔はベースフィルムを残し、離型層から接着層まて が転写されます。紙再生処理工程で箔は離解され、アルミニウム蒸着層はアルカリ薬品溶液て溶解されます。離型・着色・接着 各層も粗選機、熟成タワー、浮選機等の中で分別・分解され、外に廃棄されます。したがって、箔押された箔は、再生処理工程外 に排出され再生紙への影響はありません。

A

"産業廃棄物処理問題"
箔押の一般的な箔の構造はPET フィルムをベースフィルムとして、離型層・着色層・アルミニウム蒸着層・接着層から形成されています。 離型層は脂肪酸系またはWAX 系樹脂の塗工膜であり、着色層は一般インキと同系統樹脂膜から成っています。接着層は被転写物と 同性質に近い樹脂がコーティングされています。アルミ蒸着層は約400 Å(オングスト□一ム)前後という超極 薄粒子の結合膜であり、箔の産業廃棄物としての処理は印刷フィルムと同じ焼却処理が行え、燃えカスや残灰も極めて僅小 で問題はありません。

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